• No : 38404
  • 公開日時 : 2021/06/28 11:44
  • 印刷

人工知能(AI)

人工知能(AI)
カテゴリー : 

回答

人工知能(AI、Artificial Intelligence)とは、人間の知的な能力を人工的に作り出したものです。学習や推論、判断など人間が日常行う作業を、コンピュータのプログラムで自動化したシステムを指します。
 
人工知能の研究の歴史は実は古く、1950年代には早くも第一次AIブームを迎えています。しかし当時の人工知能は決まった条件下の問題にしか強さを発揮できなかったことから、人工知能への過大な期待はしぼみ、やがてブームは過ぎ去ります。その後1980年代には第二次AIブームが訪れ、この時はエキスパートシステムとして部分的に実用化も始まったものの、やはり本格的な活用の機運が高まることはなく、人工知能は冬の時代に突入していました。
 
その人工知能は現在、第三次AIブームとして再び盛り上がっています。盛り上がりの背景にあるのは、機械学習ディープラーニング(深層学習)といった手法の確立です。人間の知能を人工的に作るためには、人間が持つ知識をコンピュータに教え込む必要がありますが、知識や判断の定義を網羅的にプログラムで再現しようとすると開発に大きな工数を要します。コンピュータが自動的に知識を吸収する機械学習や、判断すべき特徴を自動的に認識するディープラーニングは、この問題を解決する技術であり、用途が急激に広がりつつあります。ディープラーニングで必要な演算に適したGPUの高性能化と普及も、第三次AIブームを支えています。
 
人工知能の主な活用例には、外観検査など画像をもとに対象物を判別する画像認識や、スマートスピーカーのように人間の声による操作を可能にする音声認識、検索エンジンのように人間が書く文体からその構造を適切に認識する自然言語処理、データ分析による将来の株価や業績の予測などがあります。AIには個別のタスクに最適化した特化型と、オールラウンドな汎用型があり、それぞれ「弱いAI」「強いAI」とも呼ばれています。
 
第三次AIブームで人工知能の発展に加速がついたことから、人工知能が人間の知能を上回るシンギュラリティ(技術的特異点)の到来も、現実味を帯び始めています。高度な人工知能を備えたロボットが登場すると、いくつかの職業はロボットに完全に置き換わり、それに従事していた人間が仕事を失うことも懸念されます。その問題は、シンギュラリティの到来予測時期から「2045年問題」とも呼ばれています。
 
関連ページ