• No : 37801
  • 公開日時 : 2020/04/13 08:52
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IoT

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IoT(Internet of Things)は、「モノ」と「モノ」をインターネットでつなぐことを意味します。「モノのインターネット」と訳されることもあります。従来のインターネットは人と人、または人とモノを結ぶものとして発展してきたのに対し、IoTでは人を介さずモノとモノが直接通信する点が異なります。

IoTではモノの情報を、センサやカメラなどのデバイスを使って収集します。モノに取り付けたセンサやカメラが取得したデータを、データセンターやクラウドを使って分析し、その結果をもとにモノを最適に制御します。モノの情報を人が計器やモニタでチェックし、それを見ながら人がモノを制御するのではなく、モノ同士が自動的に通信するのがIoTの特徴です。機械の自律的な制御など、人の手ではできないような高度なサービスを実現する手法として注目されています。

IoTに類似した言葉に「M2M」(Machine to Machine)というものもあります。機械と機械を直接ネットワークでつなぐ考え方で、人を介さないという点ではIoTと共通しています。IoTよりも歴史は古く、メーターの遠隔検針や自動販売機の在庫管理など、M2Mを実用化したシステムは以前から存在します。

機械というモノ同士が通信する点ではIoTもM2Mも共通ですが、M2Mはその多くがクローズドなネットワークを使うのに対し、IoTはインターネット技術を使う点で異なります。また単につなぐだけでなく、モノとモノの間でデータの解析など計算処理を行うことが多いのも、IoTの特徴です。

IoTの活用はあらゆる産業に渡ります。農業や漁業では、環境に左右されやすいという弱点を補うために、ビニールハウスの温度管理や土壌の水分モニタリング、養殖場の水温管理などに取り組む事例があります。製造業では、工場で生産する製品の品質管理や機器の稼働監視などで、IoTが使われています。いずれも単にセンサで対象物の状態を計測するだけでなく、温度管理であれば温度に応じてヒータやファンを自動的に動作させたり、品質管理では装置のパラメータを自動調整するなど、最適な状態を保つための制御も同時に行います。広義のIoTには、スマートフォンによる家電の遠隔操作なども含まれます。

IoTの先進的な活用の一つに、車の自動運転があります。人が車を運転する代わりに、車に取り付けたセンサやレーダや、信号から無線で情報を受け取るシステムの情報を元に、車が自ら周囲の状況を認知して走行します。

IoTの発展を支えるのは、センサの小型化や多様化、省電力化や無線通信の機能拡張などの技術革新です。特に今後は、新しい無線通信規格の「5G」に大きな期待が掛けられています。5Gのネットワークは、1km四方当たり100万台の同時接続が可能なため、IoTのデバイスが密集するような地域でも導入しやすくなります。エリアが限られるWiFiの代わりにIoTのネットワークとして利用しようという気運が高まっています。