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用語解説

  • No : 37798
  • 公開日時 : 2020/04/13 08:52
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エッジコンピューティング

エッジコンピューティング
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回答

エッジコンピューティング(edge computing)は、データ処理を行うサーバを、実際にデータを取得したり、処理した情報をもとに制御する機器に近いネットワークに分散配置するシステムモデルです。

IoT(Internet of Things)を活用したシステムを構築する際、IoTで取得する情報は種類が多い方が望ましいです。遠隔地を含めてさまざまなデータをデータセンターやクラウドに集め、分析することで相関関係を見つけることができれば、効率的な制御が可能になります。

しかしIoTデバイスで機器の動作を監視するようなシーンでは、多頻度のデータが継続的に発生することになり、その都度データセンターやクラウドに送るのはネットワークに大きな負荷がかかってしまいます。通信のスピードがボトルネックとなって、制御に戻されるまでに時間がかかり、データに基づいた迅速な制御は行えなくなります。

そこでデータを処理するサーバを、ネットワークの「先」にあるデータセンターやクラウドではなく、ネットワークの手前、すなわち機器のあるシステムの「端」(エッジ)に置くというのが、エッジコンピューティングの基本的な考え方です。

エッジコンピューティングのメリットには、大きく4つあります。一つはリアルタイムに近い処理が可能になる点です。データ処理の過程で遠隔地のサーバと通信する必要がなく、近いところにあるシステムで処理が完結できるため、遅延が少なく、制御にフィードバックするまでの時間の短縮が期待できます。

二つめはシステムを安定して運用できる点です。特にクラウドサービスはネットワークに依存する部分が大きく、ネットワークに障害が発生するとサービスが一切使えない恐れもあります。エッジコンピューティングはネットワークの手前のエッジ側にサーバがあるため、ネットワーク障害にも強いシステムを実現できます。障害への耐性を高めることは、BCP(事業継続計画)対策の点でも効果的です。

三つめはセキュリティです。クラウドで処理するためにネットワークに自社の機密情報を生のまま流すことは、高度なセキュリティが確保されていても抵抗を感じます。エッジコンピューティングでは自社のシステム内でデータ処理が完結します。クラウドサービスを利用する場合でも、エッジコンピューティングで一度加工してからネットワークに送れば、生の情報を流さずに済みます。

四つめはコストです。エッジデバイスから発生されるデータをそのままクラウドサービスに送る場合、ネットワークの帯域もそのデータ量に見合ったもので設計しなくてはなりません。エッジコンピューティングの活用で、送る必要のないムダな情報を取り除くようにすれば、クラウドに送るネットワークの通信量を節約することができ、クラウドのデータ利用コストの削減も可能になります。

エッジコンピューティングは、特にリアルタイムに近い制御が求められるようなケースで活用される例が多くあります。製造業では、製品の品質を保つために、品質情報をもとに工場の機械のパラメータを自動調整したり、機械の動作に現場の安全性を脅かすような兆候が見られたらすぐに機械を止めたりするような例があります。それぞれの現場で分散処理することにより、急を要するような制御にも対応できます。
 
 

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