• No : 38392
  • 公開日時 : 2021/06/28 11:39
  • 印刷

IoTデバイス

IoTデバイス
カテゴリー : 

回答

IoTデバイスは、IoT(Internet of Things)でつながる機器を総称した言葉です。狭義では機器にネットワーク接続機能を提供するセンサやカメラ、レーダなどのデバイスを指しますが、広い意味でそうしたデバイスを搭載した機器全体をIoTデバイスと呼ぶこともあります。
 
従来インターネットなどのネットワークに接続できるのは、パソコンなどのコンピュータだけと考えられてきました。しかしセンサの小型化や無線通信技術の高度化などによって、コンピュータではない単なる「モノ」もインターネットに接続できるようになりました。さらにセンサの導入コスト低減や、クラウドのサービス普及でIoTデバイス側に演算機能を持つ必要がなくなったことも相まって、モノをネットワークで制御する「モノのインターネット」の世界が実現しています。
 
IoTデバイスでネットワークにつながるようになった機器には、家電や自動車、医療機器や生活インフラに関連した設備などがあります。例えば家電では、通信機能を搭載してインターネット経由でコントロールできるようになった照明やエアコンのほか、音声認識機能でネット検索を行うスマートスピーカなどが実用化されています。スマートフォンは、今ではデータ通信機能は当たり前ですが、もともとは電話機だったことを考えると、電話機にネットワーク機能を付けて実現したIoTデバイスの一種と言えます。
 
自動車は、自動運転の実現にIoTデバイスが寄与することが期待されています。走行中の車がGPSで取得した位置情報と、カーナビの地図情報や車速を照らし合わせ、カーブ手前で自動的に減速したり、交差点の信号がビーコンとなって信号の情報を配信し、車はその情報を受けて自動停止するようなシステムが開発されています。こうしたIoTデバイスによる通信機能を持つ車は「コネクテッドカー」と呼ばれます。
 
産業分野でIoTデバイスの活用が進んでいるものの一つが製造業です。工場の多様な機械や装置にセンサやカメラなどのIoTデバイスを装着し、予兆保全や遠隔監視などを進めることで、自動制御とそれによる効率化を追求したスマート工場に近づくとされています。
 
製造業でIoTデバイスを活用する場合、対象となる機械や装置が多いため、デバイスの数が膨大になりがちです。それに対応するために、情報を現場で集約するIoTゲートウェイや、クラウドに送信する前にいったん現場で処理するエッジコンピューティングも登場し、製造業でIoTデバイスを活用しやすい環境が整ってきています。
 
半面、これまでスタンドアロンでしか動かすことのなかった機器は、ネットワークで外からアクセスすることを前提に作られていないのが課題です。IoTデバイスを活用するためには、セキュリティ面での脆弱性を解消することが重要です。