FFT(Fast Fourier Transform、高速フーリエ変換)は、さまざまな信号の波形を三角関数の和で表すフーリエ変換を高速に行う手法です。コンピュータで扱うためにサンプリングしたデータをもとに行う離散フーリエ変換を高速化することを指す場合が多いです。
波形をFFT解析することによって、時間によって変化する波形を周波数領域に分解することができます。それにより、複数の周波数成分で波形を表現することができ、個々の周波数に掛ける関数を変化させることによって、元の波形から特定の周波数を取り除いたり、他の周波数を足し合わせて新しい波形を作り出すようなことが可能になります。
生産現場では様々な機械が動作しており、その動作にしたがい各々が特有な振動を発生させています。これにより、現場では様々な振動の波が混じり合い、合成されているため、振動強度だけでは各機械の状態変化を判断することはできません。
そこで、FFTを用いて合成された振動の波を周波数別に分解することで、様々な機械に特有な振動の周波数を取り出すことがます。このように周波数別に強度を監視することで、機械の状態変化を捉え予兆保全が可能になります。
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