• No : 37805
  • 公開日時 : 2020/04/13 08:52
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トレーサビリティ

トレーサビリティ
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回答

トレーサビリティ(traceability:追跡可能性)とは、品質管理のために製品の生産や加工、流通の履歴を遡って追跡できるようにすることです。一つひとつの製品がどのような過程を経て作られたか履歴管理し、個々の製品を識別可能にします。

トレーサビリティが効果を持つ分野として、製造業や食品業、物流、家電リサイクルの業界などがあります。製造業では、いつどこから調達した部品を使い、どの機械でどのような加工を行って、誰がいつ検査を行ったかなどの工程ごとの履歴を、一つひとつの製品ごとに残します。それにより、後工程や出荷後に製品に問題が見つかった際、原因の絞り込みやどの製品を回収すべきかなど、影響範囲の特定が容易になります。

食品業界でも、原材料となる素材の栽培や飼育方法、製造や出荷方法など、加工・製造・流通という生産者から消費者に至るまでのサプライチェーン全体に渡る情報を残して、後で調べることを可能にします。BSE(牛海綿状脳症)を機に食品の安全の重要性が問われるようになって以来、食品業界でのトレーサビリティの必要性がクローズアップされるようなりました。製品から履歴を調べる方法をトレースバック、逆に履歴から製品を調べることをトレースフォワードと区別することもあります。

物流業界でのトレーサビリティでは、配送中のものが現在どこにあるか、誰がどの車両で配送を行ったかなどを調べることを可能にしいます。家電リサイクルのトレーサビリティでは、家電が適切にリサイクルされ、不法に廃棄されないことを確認するようなことができます。

トレーサビリティによる追跡には、個々の製品ごとに行うものと、製造の単位ごとに行うものの2つの識別単位があります。識別に使われる識別記号は、前者ではシリアル番号、後者ではロット番号が使われることが多いです。